山口大学大学院医学系研究科病態制御内科学(第三内科)

糖尿病・内分泌内科

診療内容

生活習慣の変化に伴って我が国における糖尿病は激増しています。糖尿病・内分泌内科では、食事療法・運動療法を基本にして、最新の知見に基づく薬物療法を積極的に取り入れ、専門性の高い糖尿病治療を行っています。 また、内分泌代謝機能の破綻によって生ずる甲状腺・副腎・下垂体疾患、痛風・高尿酸血症、さらには肥満を基盤として起こり動脈硬化の危険因子であるメタボリックシンドローム(高血圧・高脂血症・高血糖)等の診療を行っています。

  1. 医師・看護師・栄養士・薬剤師などからなる糖尿病療養指導チームによる糖尿病のトータルケアを行っています。
  2. 標準的なインスリン注射でコントロール困難な1型糖尿病に、持続注入ポンプによるコントロールを行っています。
  3. 特殊な糖尿病の遺伝子診断が可能です。
  4. 甲状腺腫瘤のエコーガイド下細胞診を行っています。
  5. 下垂体疾患、副腎疾患など専門性を必要とする内分泌疾患の診療も行っています。
甲状腺エコー

糖尿病治療の目標は、急性・慢性合併症の予防と進展防止にあり、血糖コントロールにとどまらず血圧、脂質等を含めた多角的できめ細かなトータルな管理が必要です。糖尿病・内分泌内科は日本糖尿病学会認定教育施設として地域の糖尿病センター的役割を担っており、糖尿病教育入院コースもオープンしています。糖尿病を中心とする生活習慣病の原因究明と予防、最新かつ最適な治療の提供を目指しています。また、日本内分泌学会認定教育施設でもあり、専門医が各種内分泌疾患の診断、治療についてのコンサルテーションを行っています。

血液内科

診療内容

血液内科では、貧血、血小板減少、血液がんである白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫など、あらゆる血液疾患の診断から治療を一貫して行っています。

当科は日本血液学会認定血液専門医が複数在籍する日本血液学会専門研修認定施設であり、血液疾患についての専門的な知識と経験をもつ診療科です。また当科は日本造血細胞移植学会認定の非血縁者間造血幹細胞移植認定診療科であり、造血幹細胞移植においても十分な実績があります。エイズ治療拠点病院としてHIV感染の診療も行っています。

対象疾患

  • 各種貧血、再生不良性貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症
  • 各種血小板減少症、血友病
  • 急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群
  • 慢性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、骨髄繊維症
  • 悪性リンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病
  • AIDS など

診療実績と方針

診療実績と方針

当科は昭和58年に西日本で最も早くから骨髄移植を開始し、現在までに500例以上の造血幹細胞移植を行ってきました。特に難治性血液疾患の根治的治療である同種造血幹細胞移植については山口県内唯一の実施施設であり、骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植のいずれも実施可能であり、患者さんの病状やドナーの有無により最適な移植方法を選択しています。当科の入院病棟は令和元年に開院したA棟12階に移転し、クリーンルームも合計16床に増床しています。

血液疾患の病態は日進月歩で解明されており、その治療も急速に進歩しています。例えば血液がんである白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などに対しては、従来からの抗がん剤治療に加えて、様々な分子標的薬、抗体療法、細胞療法や造血幹細胞移植などを組み合わせることで、その予後は改善しています。当科でもエビデンスに基づいた最新の治療法を積極的に取り入れています。血液疾患に対する治療では、その副作用による感染症や全身管理が求められます。当科では他の診療科とも協力をしながら患者さんを全人的にケアすることを心掛けています。また造血幹細胞移植などの特殊な治療が必要な患者さんについては、山口県内外の関連病院の血液内科と連携を取りながら診療を行っています。