指導医より
血液班指導医
山本 薫Kaoru Yamamoto
当科の病棟では、造血器腫瘍の治療を中心に幅広く血液疾患の診療を行っています。県内唯一の同種造血幹細胞移植施設であることも大きな特徴の一つです。
血液内科の診療は、診断から治療やその後のフォローも含め主治医として長く患者さんに関わることが特徴です。治療方針の決定や副作用への適切な対処、他の診療科との連携、患者さんの精神的サポート等、主治医の果たすべき責務は多岐にわたります。特に移植治療においては医師だけで治療を行うことは到底できず、パラメディカルのサポートが不可欠なため、チームのリーダーとして多職種と協力して診療に当たっています。研修医の皆さんにもチームの一員として積極的に診療に携わってもらいます。
急性白血病や難治性の悪性リンパ腫等の治療では長期の入院を余儀なくされ、治療による副作用も重症になることがあります。主治医としての責任や負担も決して軽くはありません。しかし長い闘病生活を経て患者さんが無事に退院し治癒したときの喜びや充実感はひとしおで、とてもやりがいのある分野です。血液疾患の研究は近年ますます発展し、年々新しい薬剤や治療法が登場し続けています。10年も経つと全く治療方法が変わってしまう様な疾患もあります。最近では患者さんの細胞そのものを治療薬に作り替えてしまうような治療も行われるようになりました。今は治療できなくても数年先には治療できる、そんな期待を持ち続けられる分野であることも血液内科の大きな魅力だと思っています。
当科での研修中は診療や勉強で大変だと思いますが、主治医の一人として充実した研修を過ごすことができると思います。カンファレンスでの発表や指導医との症例検討を通じてぜひ学びを深めてください。
糖尿病・内分泌班指導医
秋山 優Masaru Akiyama
糖尿病をはじめとする代謝疾患、下垂体・甲状腺・副腎などの内分泌疾患の診療にあたっています。糖尿病診療の主な目的は合併症の進展を防ぎ、健康な人と変わらないQOLが保たれた生活を送って頂くことになります。そのためには患者個々の背景を理解し、適切な治療を行っていくことが重要です。
近年、持続グルコースモニターを搭載したインスリンポンプの使用が一般的となり、またスマートフォンで血糖値を測定できるシステムが登場するなど糖尿病治療における技術の進歩は目覚ましいものがあります。これらの新しい技術も駆使して患者個人に応じた治療を見出していく楽しさが、糖尿病診療にはあります。また内分泌疾患においては視床下部・下垂体疾患、甲状腺・副甲状腺疾患、副腎疾患など多岐にわたる症例を扱います。体内の様々な機能を調節しているホルモンの役割を理解し、ホルモン分泌の異常やホルモンが作用する対象臓器の異常を診断していくことになります。内分泌疾患は比較的稀な疾患も多いのですが、当科では多彩な症例を経験することが可能です。
山口県は内分泌専門医が依然として不足している状況であり、内分泌エキスパートのさらなる育成を目指しています。また糖尿病・内分泌学を学ぶことで全身を統合的に理解することができ、一般内科医としての技能も身につけることもできます。内分泌代謝学の楽しさを伝えることができればと思います。